| ■三菱化学(株)と王子製紙(株)はこのほど、植物を原料とするナノファイバーセルロースと樹脂の複合材の共同研究を行うことで合意した。両社は有望な複合材料(植物及び樹脂)の選定と効率的な製造プロセスの確立、具体的な用途分野の探索を目的に、2012年9月までの約3年間共同研究を行う予定で、ビジネスとして有望と判断した場合には2012年度を目標とした共同事業化を目指す。ナノファイバーセルロースは植物繊維を1ミクロンの数十分の一のナノオーダーにまで細かく解きほぐしたもので、温度変化に伴う伸縮幅を示す線熱膨張係数はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高い(=硬くて丈夫)などアラミド繊維並みの優れた特性の他、植物由来ということで生産・廃棄における環境負荷が小さいという特徴を持つ。このナノファイバーセルロースを樹脂中に分散させたものがナノファイバーセルロースと樹脂の複合材で、樹脂中に分散させるナノファイバーセルロースの直径が1nm(ナノメートル)以下の場合は高い透明性、自由な成型が可能、温度変化に伴う伸縮が少なく寸法が安定、丈夫といった特性を、1nm以上の場合には曇りガラスのように不透明であるものの光透過性が高いという特性を持った複合材を製造できることから、前者では有機ELディスプレイのフレキシブル基板や発光ダイオード(LED)の封止材など、後者では有機EL照明のフレキシブル製膜基板や様々な繊維強化プラスチックの代替素材としてなど幅広い用途への応用が期待されている。 |